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人間性についての教育

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かつてはトラブルが多発する美容室だった…

当時の様子が描かれた書籍

KOZO美容室にも、毎日問題が続出していた時期があります。朝からスタッフが泣いたり、喧嘩をしたり、イジメもありました。

KOZO美容室の創業者、大沼孝三は、トラブルの原因を調べ、スタッフの話を聞き、問題の解決に取り組んでいましたが、スタッフ間のトラブルますます多発しました。

大沼は「なぜ、こんなレベルの低いスタッフばかり集まったんだろう」と思い悩みました。スタッフに問題があるのだと思い込んでいたのです。しかし、大沼自身に問題がある事にやがて気がつきました。

スタッフから嫌われたくないという気持ちで「優しい先生」を演じていたのです。一人一人のスタッフに合わせようとした結果、公平性にかけ、求心力のない、チームワークのとれないサロンを作ってしまっていたのです。

KOZO美容室の十の鉄則

大沼は、あるルールを導入する事にしました。KOZO美容室のサロンで絶対に守らなければならないルール。

「KOZO美容室の十の鉄則」です。

これがKOZO美容室の人間性についての教育の原点となりました。

  1. 後輩は先輩を立て、先輩は後輩をいたわり、仕事には厳しく接せよ。
  2. 裏で人の悪口、店の悪口を言うことは一切禁ずる。正々堂々と話し合うこと。
  3. 技術を教わるとき、後輩は常に白紙の状態で素直に聞くこと。先輩は常に勉強すること。
  4. 人が不愉快になるような態度(泣く、怒鳴る、ふくれる等)や、他人を傷つけるような態度は絶対にとらない。
  5. 店内において自分の我がままを出し、チームワークを乱すことは、一切許されない。
  6. “笑顔”それは美容師になるための第一歩。それにはまず人を好きになること、お客様を好きになること。お客様が多くなり忙しくなるほど、全員がやる気を出し、各々の技術を精一杯、表現する。
  7. 先輩になればなるほど、仕事は楽になるのではなく、大変になることを自覚せよ。
  8. 悪いと思ったら素直に「ごめんなさい」。何かしてもらったら「ありがとう」。この二つの言葉を忘れないこと。
  9. 仕事は自分のペースで進まないこともある。十分自覚すること。
  10. KOZO美容室は、仕事は厳しいがチームワークのとれた楽しいサロンがモットー。技術と人間性との関連では、四分六分で人間性を重視している。スタッフは技術の追求を目指すと共に、人間性の向上にも常に心掛けること。

スタッフ一人ひとりの都合よりも、お客様、スタッフみんなの幸せを最優先に考えて、見せかけだけの「優しい先生」をやめたのです。すると、スタッフ全員の働きぶりが変わりました。皆キビキビとして表情も明るくなりました。この後、店内のトラブルは驚くほど激減したのです。

進化するトレーニングシステム

新人合宿セミナー(現在は終了)の様子

私たちはいつもスタッフ教育の改良について考えています。その結果、KOZO美容室のトレーニングシステムは進化しつづけています。

その後に開始した「新人合宿セミナー」は、美容業界紙で特集が組まれるほど内容豊富なセミナーです。

合宿セミナーは現在は行われていませんが、そこで培われたノウハウは確実に引き継がれ、さらなる教育システムの強化に役立てられています。

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