KOZO美容室にも、毎日問題が続出していた時期があります。朝からスタッフが泣いたり、喧嘩をしたり、イジメもありました。
KOZO美容室の創業者、大沼孝三は、トラブルの原因を調べ、スタッフの話を聞き、問題の解決に取り組んでいましたが、スタッフ間のトラブルますます多発しました。
大沼は「なぜ、こんなレベルの低いスタッフばかり集まったんだろう」と思い悩みました。スタッフに問題があるのだと思い込んでいたのです。しかし、大沼自身に問題がある事にやがて気がつきました。
スタッフから嫌われたくないという気持ちで「優しい先生」を演じていたのです。一人一人のスタッフに合わせようとした結果、公平性にかけ、求心力のない、チームワークのとれないサロンを作ってしまっていたのです。
大沼は、あるルールを導入する事にしました。KOZO美容室のサロンで絶対に守らなければならないルール。
「KOZO美容室の十の鉄則」です。
これがKOZO美容室の人間性についての教育の原点となりました。
- 後輩は先輩を立て、先輩は後輩をいたわり、仕事には厳しく接せよ。
- 裏で人の悪口、店の悪口を言うことは一切禁ずる。正々堂々と話し合うこと。
- 技術を教わるとき、後輩は常に白紙の状態で素直に聞くこと。先輩は常に勉強すること。
- 人が不愉快になるような態度(泣く、怒鳴る、ふくれる等)や、他人を傷つけるような態度は絶対にとらない。
- 店内において自分の我がままを出し、チームワークを乱すことは、一切許されない。
- “笑顔”それは美容師になるための第一歩。それにはまず人を好きになること、お客様を好きになること。お客様が多くなり忙しくなるほど、全員がやる気を出し、各々の技術を精一杯、表現する。
- 先輩になればなるほど、仕事は楽になるのではなく、大変になることを自覚せよ。
- 悪いと思ったら素直に「ごめんなさい」。何かしてもらったら「ありがとう」。この二つの言葉を忘れないこと。
- 仕事は自分のペースで進まないこともある。十分自覚すること。
- KOZO美容室は、仕事は厳しいがチームワークのとれた楽しいサロンがモットー。技術と人間性との関連では、四分六分で人間性を重視している。スタッフは技術の追求を目指すと共に、人間性の向上にも常に心掛けること。
スタッフ一人ひとりの都合よりも、お客様、スタッフみんなの幸せを最優先に考えて、見せかけだけの「優しい先生」をやめたのです。すると、スタッフ全員の働きぶりが変わりました。皆キビキビとして表情も明るくなりました。この後、店内のトラブルは驚くほど激減したのです。
私たちはいつもスタッフ教育の改良について考えています。その結果、KOZO美容室のトレーニングシステムは進化しつづけています。
その後に開始した「新人合宿セミナー」は、美容業界紙で特集が組まれるほど内容豊富なセミナーです。
合宿セミナーは現在は行われていませんが、そこで培われたノウハウは確実に引き継がれ、さらなる教育システムの強化に役立てられています。
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